「起業して成功して、めちゃくちゃ金持ちになったら何がしたい?」
将来、自分の会社を立ち上げたいと思っているあなたなら、一度はこんな妄想をしたことがあるんじゃないでしょうか。タワマンの最上階に住んで、毎晩パーティー。ガレージには高級車がズラリと並び、腕にはピカピカの高級腕時計…。うん、正直に言います。僕も毎日そんなことばかり考えていました。でも、ですよ。この前、とんでもない動画を見てしまって、僕のそのちっぽけな夢はガラガラと音を立てて崩れ去ったんです。
それは、DMM.comの創業者である亀山敬司会長のインタビュー動画。テーマは「資産が増えると、見える景色はどう変わるのか?」。資産数千億円とも言われるガチの大富豪が、お金について何を語るのか。食い入るように見ていた僕の耳に飛び込んできたのは、衝撃的な言葉の数々でした。「お金を持ちすぎると、消費から拒絶される」「1万円のワインと100万円のワイン、味の違いなんて1.1倍くらいだよ」…え?マジで?
この記事では、僕が受けた衝撃を追体験してもらいながら、「金持ちになったら幸せなのか?」という永遠のテーマに、亀山会長の言葉を借りて切り込んでいこうと思います。この記事を読み終える頃には、あなたがお金を稼ぐ「目的」が、もしかしたら根底から変わってしまうかもしれません。でも、それが本当の意味で「成功」に近づくための、一番の近道になるんじゃないかな、なんて思ったりもするわけです。
この内容の動画を見ての解説です。
身も蓋もない結論から言っちゃいますが、どうやらお金で買える幸せには「限界」があるみたいです。いや、僕みたいな凡人からすれば「限界あるとか言ってみたいわ!」って話なんですけど、資産数千億円の男が言うんだから、たぶん、いや、絶対に、そうなんです。この動画を見て、僕が今まで持っていた「金持ち=絶対的幸福」という単純な方程式は、見事にぶっ壊されました。
動画の冒頭で、亀山会長はさらっとこう言いのけます。「自分がちやほやされるのはいいけど、金がちやほやされたいわけじゃない」。…しびれませんか?この感覚。
僕らって、どこかでお金と自分を同一視しがちじゃないですか。高い時計を巻いて、良いスーツを着て、良い車に乗る。それが自分の価値を上げてくれるような気がして。でも亀山会長は、それとこれとは全く別だと。人が集まってくる理由が「亀山敬司」という人間じゃなくて、「亀山敬司の持つ金」になった瞬間、それはもう喜びではない、と。
考えてみれば当たり前ですよね。自分の魅力じゃなくて、札束の力で人が集まってきても、そこには虚しさしか残らない。金がなくなれば、その人たちはいなくなるわけですから。成功の階段を駆け上がっていくと、いつの間にか「自分の価値」と「資産の価値」の境界線が曖昧になってしまいそうだけど、亀山会長はそこを明確に分けている。これがまず、僕がくらった一発目のカウンターパンチでした。
そして、追い打ちをかけるように放たれたのが、「お金を持ちすぎると、消費から拒絶される」という言葉。これ、意味わかります?僕は最初、何を言っているのか理解できませんでした。
お金があれば何でも買える。何でも買えるんだから、消費を「楽しむ」ことができる。そう思っていました。でも、亀山会長のロジックは真逆。何でも買える状態になると、そもそも「欲しがる」という感情がなくなる。何かを「欲しい」と思い、努力して手に入れるプロセスにこそ喜びがあるのに、そのプロセス自体が消滅してしまう。だから、「消費から拒絶される」と。
なるほどな、と。僕らが「あれが欲しい、これが欲しい」と目を輝かせている状態こそが、実は一番幸せな時間なのかもしれない。手に入れた瞬間の喜びは一瞬で、また次の獲物を探すことになる。でも、その「獲物」を探す必要すらない世界。それが資産数千億円の世界だとしたら…。なんだか、少しだけその世界の景色が見えたような気がして、ゾッとしたんですよね。
じゃあ、実際に資産が増える中で、亀山会長の生活はどう変わっていったのか。僕が一番聞きたかった部分です。タワマンは?高級車は?美女とのパーティーは!?…と期待していたんですが、その答えは、僕の妄想とはかけ離れたものでした。
亀山会長が初めて「お金を持った」と実感したのは、20代後半。レンタルビデオ事業が軌道に乗り、年間で数千万円の利益が出るようになった頃だそうです。その時、何をしたかというと、欲しかった中古のヴィンテージベンツを500万円で買った。うんうん、わかる!僕でも絶対そうする!
その時は「やったー!」と素直にうれしかったそうですが、じゃあそれで人生が劇的に変わったかというと、全くそんなことはなかったと。周りの友達や家族の反応も、特に変わらなかった。つまり、資産1億円くらいじゃ、見える景色はほとんど変わらない、ということです。
僕だったら、たぶん舞い上がって毎日意味もなく乗り回しちゃうだろうな(笑)。でも、亀山会長にとっては、それはあくまで通過点でしかなかった。500万円の車を買うという「消費」を経験したことで、すでにお金で得られる喜びの限界を、なんとなく感じ取っていたのかもしれません。
じゃあ、資産が10億円になったらどうだ!流石に変わるだろ!…と思いきや、これもほとんど変わらなかったそうです。驚くべきことに、亀山会長はいまだに10年以上乗っている電動自転車で移動しているという。しかも、そのバッテリーは2日で切れる代物。いやいや、それ、もはやただの重たい自転車じゃないですか!と、思わず画面にツッコミを入れてしまいました。
なんで新しいのに買い替えないのか?その理由がまたすごい。「ボロいから盗まれにくいじゃん」。どこまで合理的で、どこまで見栄や体裁に興味がないんだ…。
多くの人は、お金を持つと「金持ちに見られたい」という欲求が出てくるはずです。でも、亀山会長は全く逆。むしろ「金持ちだと思われること」を避けているようにすら見えます。それはやっぱり、「お金で人が寄ってくるのは寂しい」という、根底にある価値観から来ているんでしょうね。この話を聞いて、本当の強さって、こういうことなのかもしれないな、と思いました。
資産が100億、数千億となると、もう僕らの想像を絶する世界です。このレベルになると、さすがに金銭感覚も麻痺して、超高級なものに手を出すようになるんじゃないか?と思いますよね。そこで出てきたのが、ワインの話。
亀山会長、1本100万円のワインも飲んだことがあるそうです。で、その感想は?「5000円のワインと比べても、味の違いなんて1.1倍くらいだよ」。…出ました、衝撃発言。100倍の値段なのに、味はたったの1.1倍しか変わらない。しかも、それは「言われればわかるかな?」というレベルだそうです。
これって、すごく本質的な話だと思いませんか?味覚という、人間の根源的な感覚ですら、お金によって得られる感動の差はごくわずか。僕らは「高いものは良いものだ」という幻想に踊らされているだけで、その価値の大部分は、もしかしたらブランドや希少性といった「情報」なのかもしれない。この事実に気づいてしまうと、高いものを買うこと自体が、なんだかバカらしく思えてきますよね。
高級車にも、高級ワインにも、豪邸にも興味がない。じゃあ、亀山会長はいったい何が楽しくて、何にお金を使っているのか。その答えにこそ、僕らが起業して目指すべき「本当の豊かさ」のヒントが隠されていました。
亀山会長は、たまに美味しいお店に食事に行くことがあるそうです。でもそれは、自分が食べたいからじゃない。「一緒に行く相手が『美味しい!』って喜ぶ顔を見るのが好きだから」。
これって、まさにマズローの欲求5段階説でいうところの、自己実現欲求や、そのさらに上にあると言われる「自己超越(貢献)」の領域ですよね。自分の物欲や承認欲求はとうの昔に満たされてしまって、関心が「他者」に向いている。誰かを喜ばせること、誰かのために何かをすること。それが、今の亀山会長にとっての一番の喜びであり、ドーパミンが出る源泉になっているんです。
僕らはまず、自分のために稼ぐ。自分の生活を豊かにするために。でも、その先には、他人のために稼ぐ、他人のために使うというステージが待っているのかもしれない。そのステージに立った時、人は初めて「お金からの解放」を経験し、本当の意味で自由になれるんじゃないか。そんなことを考えさせられました。
お金で買えないものの価値。その一つが「手間ひま」です。亀山会長が奥様の誕生日にあげたプレゼントで、一番喜ばれたもの。それは、飛び出す絵本に家族の写真を切り貼りして作った、手作りのアルバムだったそうです。素敵すぎません?数千億円持ってる人が、夜な夜なハサミとノリで工作してるんですよ。想像しただけで、なんだか泣けてきます。
奥様が喜んだのは、アルバムそのものの価値じゃない。自分のために、時間をかけて、手間をかけて作ってくれた、その「想い」に感動したんですよね。
お金があれば、時間は買えます。でも、「手間ひま」をかけるという行為は、お金では代替できない。亀山会長は、今でも家で皿洗いをすることがあるそうです。それは、奥さんが「ありがとう」と言ってくれるから。その一言が、どんな高級なプレゼントよりも価値があることを知っているから。僕らが忘れてはいけないのは、こういう感覚なのかもしれません。
さて、DMM亀山会長のインタビュー動画から見えてきた「お金持ちの景色」。それは、僕が思い描いていたキラキラした世界とは、少し、いや、だいぶ違うものでした。
結局のところ、お金で得られる幸せには明確な限界がある。資産が1億円を超えたあたりから、その価値はどんどん薄れていき、最終的にはただの数字、あるいは他者との比較(マウント)のための道具になってしまう。本当に大切なのは、お金そのものではなくて、そのお金を使って「何をするか」ということ。
自分の欲望を満たすためだけにお金を使うステージから、誰かを喜ばせるため、社会に貢献するために使うステージへ。亀山会長は、自然とそちらへ移行していったように見えます。それは、彼が「自分自身の欲望には限界がある」という、ある種の悟りを開いたからなのかもしれません。
この動画を見て、僕自身、お金を稼ぐモチベーションが少し変わりました。もちろん、起業して成功したい、お金を稼ぎたいという気持ちは変わりません。でも、その目的は、タワマンに住んだり高級車に乗ったりすることじゃない。もっとたくさんの選択肢を手に入れて、自分のためだけじゃなく、周りの大切な人たちを幸せにするために、その力を使いたい。そう思うようになりました。
まあ、正直なところ、まだ1億円も稼いでない僕が言っても説得力ゼロですけどね(笑)。でも、少なくとも、ゴールテープの場所は変わった気がします。お金はゴールじゃない。あくまで、本当の豊かさを手に入れるためのスタートラインに立つためのチケットなんだ、と。
だから、まずはがむしゃらに稼ぎましょう。そして、いつか亀山会長と同じ景色を見た時に、僕らがどんな選択をするのか。その日を楽しみに、今日からまた頑張っていこうじゃありませんか。